• Epoi x Scheltens & Abbenes

    Epoi x
    Scheltens&Abbenes


    Artisanal Dialogue 01

アルティザナル・ダイアログ

最高品質の革素材、機能と美を併せ持ったデザイン、そして熟練の職人による手仕事を結集させたエポイのプロダクト。エポイのものづくりに込められたストーリーをより多くの方々に知って頂きたいという思いを込めて、私たち は「アルティザナル・ダイアログ」の名を冠したコラボレーションプロジェクトをスタートしました。

第一弾はアムステルダムを拠点に活動するアーティストユニット、シュルテンス&アベネスをコラボレーターに迎え、エポイのバッグを題材に「セパレート・アズ・ワン」と題した6枚の写真作品を制作して頂きました。色彩豊かな革パーツをモダン・アートのモビールのように構成した本シリーズに代表されるように、二人の手にかかると、バッグという見慣れたオブジェが、全く未知の存在へと写真中で姿を変え、私たちの視覚を鮮やかに欺きます。そんな、鑑賞者の視覚の“ずれ”を巧みに操作する写真表現のマエストロ、モーリス・シュルテンスとリースベス・アベネスが語る「未知の写真表現」とは?

アートを通して
エポイのバッグを紐解く
PHOTOGRAPHY BY SCHELTENS&ABBENES
TEXT BY KURUMI FUKUTSU

アートを通してエポイのバッグを紐解く
Shiki Enamel(Wallet), 2015

被写体について知る

エポイのプロジェクトにはどのように取り組んだのでしょうか?
エポイのプロジェクトでは、まずバッグを被写体としながら、どのように撮影すれば、この見慣れたオブジェを未知の存在に昇華出来るかを考えました。私たちにとっての写真作品の制作とは、新しい視覚表現の追求である一方、被写体を深く理解することで、そのオブジェに新しい文脈を付け加えるプロセスでもあります。そのため、視覚表現のバックボーンとなるコンセプトを考案するために、まずエポイというブランドの歴史、またプロダクトについてリサーチすることから始めました。
Shiki(Bag), 2015
Shiki(Bag), 2015

エポイのバッグを解体する

今回制作した写真作品「セパレート・アズ・ワン」のコンセプトを教えて下さい。
当たり前と言えば、当たり前なのですが、様々な大きさ・形状の革パーツを組み合わせることで、一つのバッグは完成します。私たちは、このバッグの制作行程をあたかも逆再生するかのように、バッグを一つ一つの革パーツに分解して、針金を使いながら写真中に再構成しました。私たちが想像するバッグのある風景とは、お店に整然とディスプレイされた静的な風景では無く、都市を颯爽と歩く女性達の手に揺れる動的な風景でした。今回の撮影では、モダン・アートにおける彫刻表現に、動的概念を導入したモビールの仕組みを借りることで、バッグを構成する色彩豊かな革パーツが、カメラの前で重力や空気抵抗によって揺れ、そのシルエットと影から生まれる有機的なバランスが“動的に“写真に表現されたのです。バッグを実用的に見せるという意味では、私たちの写真は機能しませんが(笑)、バッグというオブジェを捉える、全く未知の視点を生み出せたと思うのです。
Tile, 2015
Tile, 2015

モデル不在の
ファッションフォト

写真表現として、スティルライフにこだわるのは何故でしょうか?
私たちはファッションの撮影でも、モデルを使わないことで有名ですが(笑)、というのは、撮影を行う際に、天候や場所、モデルなどの、コントロール不可能な要因に、クリエイティビティを制限されたくないのです。私たちは、自分たちの意図通りに自由に動かせるものしか被写体に選びません。唯一、モデルを被写体とした時は、彼女の手だけを“オブジェ”として使わせてもらいました(笑)。微々たる動きも許容できない撮影だったので、長時間同じ姿勢を保つことを必要とし、彼女には酷な思いをさせてしまいました。アイディアのブレインストーミングから撮影、テストプリントまで、制作のほとんどはスタジオで行います。
Shiki Enamel(Bag), 2015
Shiki Enamel(Bag), 2015

完璧な撮影セットの構築

意図したイメージを具現化するために、デジタル合成のような手法も使っているのでしょうか?
驚かれるかもしれませんが、私たちの写真作品のほとんどは、物理的にセットを組んで撮影を行っています。物理的にセットを構築するプロセスというのは、アイディアを三次元空間に展開し、目に見える形で確認する作業です。被写体となるオブジェの完璧な配置を試行錯誤することで、私たちが、その特定のプロジェクトのどの部分に価値を見いだし、視覚的に何を達成しようとしているのか、より明確になるのです。つまり、物理的なセットとデジタルの画像加工における目的が同じだとしても、プロセスの違いが、異なる結果へと作品を導いてくれるのです。
Rits, 2015
Rits, 2015

見慣れたオブジェから、
未知なるイメージを生み出す

シュルテンス&アベネスの写真作品では、例えば、椅子、グラス、シャツ、香水瓶などの見慣れたオブジェを被写体が、私たちの視覚のルールを覆すようなイメージへと抽象化されていますよね?
例えば、「ヒドゥン・オブジェクツ」の作品では、ゴミ袋、グラス、フルーツ皿などのオブジェが、ターンテーブルの回転運動によって、ブルー、ホワイト、オレンジの色情報へと抽象化され、円錐状の彫刻作品のように現れてきます。「ブーケ・ シリーズ」の作品では、生花のブーケを写真に撮影し、紙に出力することで立体から平面に抽象化し、配置の前後関係だけで、立体の視覚的効果を達成しています。
抽象化のプロセスは、被写体の潜在的な共通項を抽出し、本来、繋がりを持たない被写体同士を結びつけます。被写体となる実際のオブジェから、どの要素を足して、どの要素を差し引くのかをコントロールすることで、鑑賞者それぞれが考える、文化的、社会的、物理的な意味を、一つの写真が重層的に許容することが出来るのです。被写体をあらゆる可能性の基に検証し、作品の方向性を導き出すことで、既知の視覚のルールに捕われない、自分たちにとっても、予想できない視覚的な驚きを生み出すことができると思うのです。
Shiki, 2015
Shiki, 2015

鑑賞者に委ねられた
“種明かし”

シュルテンス&アベネスが考える「未知の写真表現」とは?
私たちは、既知の視覚のルールを“疑い”続けることで、「未知の写真表現」に到達できると考えています。例えば、丸いものは何故丸く見えるのか?、ブルーのものは何故ブルーに見えるのか、一見、自明の理のように思えることを、徹底検証するのです。しかし、完成した写真作品には、制作に費やした思考や時間、技術などの“ 種明かし” は一切残しません。なぜなら、鑑賞者それぞれが写真作品から紡ぐイメージこそが、私たちにとっての「未知の写真表現」なのですから。是非「セパレート・アズ・ワン」の6枚の写真作品に触れて、エポイのバッグにまつわるそれぞれのイメージを紡ぎ出して下さい。

バイオグラフィー

Scheltens & Abbenes

Scheltens & Abbenes
シュルテンス&アベネス

アムステルダムを拠点に活動するフォトグラファー、モーリス・シュルテンスと、ヴィジュアルアーティストのリースベス・アベネスにより2002年に結成。『ファンタスティック・マン』や『Tマガジン:ニューヨーク タイムズ スタイル マガジン』などのインターナショナルメディアにおけるエディトリアル、エルメスやルイ・ヴィトンなどのラグジュアリーブランドのコミッションワークを手掛けるなど、その活動は多岐にわたる。世界各国で展覧会を開催する他、近年では、ニューヨークの国際写真センター(ICP)が主催するインフィニティアワードを、Applied / Fashion / Advertisingのカテゴリーで受賞。
scheltens-abbenes.com

過去の作品

Paco Rabanne, 2016
Paco Rabanne, 2016
Bouquet Series - Bouquet IV, 2008
Bouquet Series - Bouquet IV, 2008
Arita - Overview paint, 2016
Arita - Overview paint, 2016
Fantastic Man, Tracksuits, 2016
Fantastic Man, Tracksuits, 2016
Hidden Objects - Garbage Bag, 2006
Hidden Objects - Garbage Bag, 2006

プロダクト

  • Separate as One
  • Separate as One
  • Separate as One
  • Separate as One

Separate as One
セパレート・アズ・ワン』

装丁:フォトプレート
(W297mm x H396mm x D3mm)6点、
外箱(W305mm x H405mm x D35mm)
部数:500部(サインドエディション100部は
作家のサインおよびエディションナンバー入り)
デザイン:田中義久
販売価格:4,800円(税別)

「Shiki Enamel(Bag)」「Shiki Enamel(Wallet)」「Shiki(Bag)」「Shiki(Wallet )」 「Rits」「Tile」からなるエポイの6 つのコレクションを被写体とした本シリーズでは、表地、裏地、金具からなるバッグ&アクセサリーの構成パーツが、 アーティスト独自の解釈で、入念に計算された構図の中に再構築されました。色彩豊かな革パーツはモダン・アートのモビールのように、重力や空気抵抗によって揺れ、そのシルエットと影から生まれる有機的なバランスが見事に写真に収められました。

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