• AJIOKA. x SEIJUN NISHIHATA

    Epoi x Adieu


    Artisanal Dialogue 03

アルティザナル・ダイアログ

最高品質の革素材、機能と美を併せ持ったデザイン、そして熟練の職人による手仕事を結集させたエポイのプロダクト。エポイのものづくりに込められたストーリーをより多くの方々に知って頂きたい、そんな思いを込めて「アルティザナル・ダイアログ」の名を冠したコラボレーションプロジェクトをスタートさせました。

第三弾のコラボレーターは、パリ発のユニッセクスシューズブランド、アデュー。パリジャンのエスプリが効いたシックなデザインと、レザーシューズ特有の革使いを融合させた、全く新しいハンドバッグのコレクション「ロック・スタディ」が誕生しました。バッグとシューズ、そして日本とフランス、その相互のクラフツマンシップが出会う時、どんな化学反応が生まれるのか? アデューのデザイナー、イザベル・ゲドンに話を聞きました。

アデューが奏でる
デザインの旋律に乗って
エポイのバッグが踊り出す
ANIMATION BY NAOYA SANUKI
TEXT BY KURUMI FUKUTSU

アデューの名前に
込められた意味

アデューの名前の由来を教えてください
アデューという名前は、詩人のステファヌ・マラルメの作品『靴直し職人』にインスパイアされて付けました。「He would recreate shoes, Oh God!. if only you’d wish!」という一節があって、「Oh God」はフランス語だと「Ah Dieu」と発音するのですが、それを文字って「Adieu」としました。「Adieu」とは、フランス語で「さようなら」。そんな哀愁ある響きと、そこから連想されるストーリー性が気に入って付けました。
アデューを始める以前は、何をされていたんですか?
ギ・ラロッシュとイヴ・サンローランで、アルベール・エルバスに師事した後、母校の国立高等装飾美術学校で教職に就いていました。共同デザイナーのベンジャミンは、独学でオールハンドメイドの靴作りを学び、その後はフリーランスのシューズデザイナーとして活動していました。

シューズブランドと
バッグブランドの出会い

エポイとは、どんな経緯でコラボレーションすることになったのですか?
エポイとは、2016年1月のパリファッションウィーク中に知人を通して知り合いました。その後、またパリで再会し、今度はお互いのものづくりについて意見を交換する機会があったんです。レザーを扱っている者同士、共感する部分が多く、すぐに意気投合しました。シューズブランド、バッグブラントとして培ってきたクリエーションをぶつけあって、そこから何が生まれるか実験してみよう。そう盛り上がって、レザーバッグのコレクションを共同で制作することになりました。
エポイとの共同作業はいかがでしたか?
長年、アデューでもレザーを扱ってきたので、バッグもデザインしたいとかねてより考えていました。ですから、今回のコラボレーションに誘って頂いた時は、願ってもない機会だと思いました。バッグをデザインするにあたり、まずエポイのバッグコレクションを見て、それから私が好きな箇所を列挙しました。最高品質のレザー、高度な革加工の技術、ミニマルなデザイン、これらはアデューがブラントとして大切にしている事柄でもありました。こうして多くの共通点があったことは、お互いに対する信頼にもなりましたね。

アデューが奏でる、
デザインの旋律

バッグのデザインはどのように進めましたか?
まず、自分だったらどんなバッグが欲しいか考えました。私自身、仕事でも遊びでも使えるような、デイリーユースのバッグをずっと探していたんです。そこで、まずはシンプルなブリーフケースをベースにして、自分の好きなディテールを足していきました。アデューのシューズコレクションにも登場する、ジッパー、クリップボタン、ウェルトなどの特徴的なディテールをバッグに散りばめてみたんです。それから、私も共同デザイナーのベンジャミンもパンクやロックが大好きなので、音楽の要素をデザインに盛り込みたいと考えました。丁度、マチのデザインで悩んでいた時に、アコーディオンの蛇腹が思い浮かびました。そこで、アコーディオンの構造からヒントを得て、伸縮するマチを試しに作ってみたんです。中身に合わせてバッグ容量が調整でき、見た目もユニーク。機能性もデザイン性にも優れていたので、今回のバッグの核となるデザインにすることを決めました。この特徴的なマチのデザインは、パリのストリートミュージシャンが奏でるアコーディオンのようにも、日本の女性達が優雅に使う扇子のようにも見えます。フランスと日本の両文化を反映しているようで、とても気に入っています。
今回のバッグにも反映されていますが、
アデューのデザインにはマスキュリンな雰囲気がありますよね?
アデューのデザインは、ジョン・ライドンやジョー・ストラマーを筆頭とする、70年代~80年代に活躍したパンクロッカー達のスタイルからインスパイアされています。私自身も、マスキュリンな靴を履いた時に感じる、自信と高揚感が好きなんです。紳士靴のシンプルかつ威厳あるデザインは、アデューのデザインの核になっています。
「ロック・スタディ」というコレクション名はどのように思い付いたのですか?
今回のバッグのコンセプトと合わせて、「仕事」と「遊び」の両方を表すような名前が良いと思ったんです。そこで、スカとレゲエをミックスさせたジャマイカ音楽のジャンル「ロック・ステディ」と、欧米で書斎を指して使う言葉「スタディ」をもじって、「ロック・スタディ」と名前を付けました。

仕事にも遊びにも使える、
ハイブリッドなバッグ

今回デザインしたバッグは、どんな女性に使って欲しいですか?
アデューのシューズと同じで、今回デザインしたバッグもユニセックスなので、女性と男性の両方に使って欲しいです。都会に住みながら、仕事も遊びにも一生懸命な人、そんな人にピッタリだと思います。ノートパソコン、雑誌、手帳、財布、メイクポーチなど、仕事道具も私物も十分に収まるので、一日中アクティヴに過ごせますね。それに、3つのコンパートメントとサイドポケットを上手に活用すれば、沢山の荷物も整理整頓して収納出来ます。そして、これは自分のためですが、このバッグには12インチのレコードも入るんです(笑)。
本当に音楽がお好きなんですね(笑)。では、あなただったら、何のレコードをバッグに入れますか?
Delphineの「La fermeture Eclair」、Sucideの「Cheree」、Lee Hazlewood の「The Girls in Paris」を入れると思います(笑)。

バイオグラフィー

Adieu

Adieu
アデュー

デザイナーのイザベル・ゲドンとベンジャミン・キャロンにより、2012年にパリで設立されたシューズブランド。ゲドンのパリジャンのエスプリが効いたデザインと、キャロンの靴作りへの深い知識とが融合されたユニセックスのシューズコレクションは、世界主要都市のセレクトショップ及び百貨店で取り扱われている。2012年には、フランス・パリのヴィクトワール広場から近いアブーカー通りに世界初の路面店をオープン。
adieu-paris.com

プロダクト

  • Rock Study
  • Rock Study

Rock Study
ロック・スタディ

色展開:ブラック、グレー
販売価格:117,000円(ワイド)、
98,800円(ロング)

アデューが提案するのは、ビジネスにもカジュアルにも使えるデイリーユースのハンドバッグ。エポイが得意とするミニマルなデザインに、アデューらしい“遊び”が加わりました。アデューのシューズコレクションにも度々登場する、光沢の美しいパテントレザーを使用したスクエアシルエットのボディーには、ジッパー、クリップボタン、ウェルトなど、革靴の特徴的なディテールが散りばめられました。最も目を引くのは、アコーディオン式に開閉する、ボディーとサイドポケットのマチ。音楽好きのアデューが奏でるデザインの旋律にのって、エポイのバッグが踊り出します。

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